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2000年4月25日
通商産業省工業技術院地質調査所

人工衛星からの熱赤外映像で,有珠火山の噴火口・泥流を確認

資源探査用将来型センサ(ASTER)による観測画像[熱赤外画像]について
=2000年4月14日(日)午後9時53分撮影画像とその地質学的解析結果=

 通商産業省が開発したASTERセンサ(Terra衛星搭載)により,平成12年4月14日午後9時53分に有珠火山周辺域の観測が行われた.観測された熱映像画像を,現地で調査を行っている工業技術院地質調査所が解析・検討した.  

 今回,地表の熱異常地域を把握する事が可能な,熱赤外放射計での観測画像を解析した.
 その結果,現在活発に噴火活動を行っている複数の火口や泥流の痕跡が明瞭に捉えられている.
 
 今回の結果は,ASTERシステムを用いた熱赤外画像による繰り返し観測は,活発な活動を行っている噴火口位置の移動や,高温域の拡大・縮小など,火山活動の推移を把握する上で,極めて有効な監視観測であることを示している.

■衛星画像

 (図1) 熱赤外画像

高温部が白色
(図2)高温部を赤色→低温部を青色のレインボーカラー化した画像

相対的な温度コンター図
          *上の画像をクリックしていただくと,大きな画像がごらん頂けます.

 ASTERセンサが撮影した熱赤外画像(図1)には,高温部が白色に撮影されている.(図2では高温部を赤色〜低温部が青色のレインボーカラーに着色).
 有珠山山頂の左上に認められる明るい部分は,今回の噴火で形成された金比羅山火口群と,西山西火口群である.ASTERシステムは従来の衛星搭載熱赤外放射計より高解像度であるため,金比羅山火口群の内,2つの高温部が明瞭に識別できる.これは金比羅山で特に活発な2つの火口(K-A,K-B火口;総合観測班による)を分離できたものと思われる.
 また,金比羅山火口から右上にかけて,周囲よりやや高温な地域が筋状に伸びているのが捉えられている.これは金比羅山火口から導流溝沿いに流出した,やや温度の高い泥流堆積物と思われる.

 一方,昭和新山や有珠山山頂部の高温域も把握できたが,これらの高温域は,噴火以前から存在が把握されていた噴気・地熱地帯である.

■衛星画像による熱画像観測の意義
 人工衛星による火山活動の監視は,安全かつ定期的に行えるという利点がある.
 ASTERの熱赤外放射計などの観測器材は,これまでの衛星搭載器材よりも高解像度であり,今回の金比羅山火口のように火口周辺の温度異常をより詳細に捉えることができることが判明した.
 熱映像画像を繰り返し撮影することで,活発な活動を行っている噴火口位置の移動や,高温域の拡大・縮小など,火山活動の推移を把握することが可能となると考えられる.
 

■参考:ASTERは,可視バンドから熱赤外バンドまでを観測することができる高性能光学センサ(可視近赤外放射計,短波長赤外放射計,熱赤外放射計などのセンサーから構成)で,NASA(米航空宇宙局)が打ち上げた人工衛星(Terra)に搭載されている. 
 また,短波長赤外放射計,熱赤外放射計による観測では,地表の温度観測が可能である.
 次回の観測は4月28日に可視近赤外放射計による観測を予定している.夜間の熱映像観測の次回の観測は,4月30日を予定している.
 
 
●添付図リスト
 熱赤外画像(白黒)白色部が高温(図1)
 上記白色画像に対し,温度変化の著しい地点を強調するための画像処理を施した図
  ・より高温の地域を赤色〜より低温地域を青色に変換した画像(図2)
  ・相対的な温度コンターを描いたもの(図3)

●連絡先
  通産省工業技術院地質調査所 
      〒305-8567  つくば市東1-1-3   
      Tel. 0298-61-3572〜3574 Fax. 0298-61-3671       企画室

  注:ASTER画像と解釈図(原図:カラー)につきましては,上記にご連絡いただけましたら,配布いたします.

◎参考ホームページ
 通産省「有珠山関連情報」のホームページ 
    http://www.miti.go.jp/usuzan/index.html
 地質調査所「有珠火山関連情報」のホームページ
    http://www.gsj.go.jp/~imiyagi/Works/Event/Usu2000
 (財)資源・環境観測解析センター「ASTERプロジェクト」のホームページ
    http://www.gds.aster.ersdac.or.jp/gds_www2000/index_j.html

                                      
                                     以上