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このページでは SIMSを用いた 分析について ご紹介します。 |
SIMS(二次イオン質量分析計)のページ |
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![]() 地質調査所の二重収束型SIMS(Cameca製、ims-1270型) |
SIMSとは、 Secondary Ion-microprobe Mass Spectrometer(あるいはSpectrometry)の略語で、 日本では二次イオン質量分析計(あるいは分析法)となります。
数100〜数万eVのエネルギーをもったイオンビームを、 試料表面(固体)に照射すると、 エネルギーを受けとった試料内の原子の一部がとび出します。 これをスパッタリングといいます。 また、照射するビームを一次イオンビームと呼びます。
さて、スパッタリングによってとび出す粒子の大半は電気的に中性ですが、 一部は帯電して(電価をもった)イオンになります。 このイオンを二次イオンと呼びます。
このようにしてできた二次イオンを加速して磁場の中を通過させると、 あたかもプリズムを通過した光のように、 質量/電価の比に応じて、イオンを分離することができます。 磁場の強さなどを変化させるか、または検出部の位置を動かすことによって、 希望の質量/電価比の粒子をとりだすことが可能です。 これを質量分離といいます。
こうして質量分離されたイオンの数は、数えることができます。 その方法としては、 電子倍増管(Electron Multiplier)で電気のパルスに変換したり、 ファラデーカップ捉えたイオンを電流として測定するやりかたがあります。
ここまでをまとめると、SIMSでは試料に一次イオンビームを照射して、 質量分離された二次イオンの数を数えることによって、 試料の化学組成や同位体組成を知ります。
地球科学分野でSIMSの用途はたくさんあります。 現在の地球科学者は「未来を定量的に予想する」ことを求められています。 そのためには昔の地球科学のように時間を「順序」として取りあつかうだけでは 不足で、地学現象を、時間を変数のひとつとした速度論的に理解する必要があります。 そのためには、たとえば元素が拡散中の物質など、 不均質な試料を分析する機会が大幅に増えるでしょう。 そのような用途に、SIMSの空間分解能が威力を発揮するのです。
さて、一次イオンビームは絞り込めば直径数μmのスポットになります。 したがって試料の微小な部分について、これらの組成を知ることが可能です。
SIMSの特におもしろいところは、組成の二次元/三次元分布がわかる点です。 東京工業大学の圦本先生はSIMSのことを「同位体顕微鏡」 と呼ぶことがあります。 というのは、SIMSの二次イオン光学系は、 試料表面の像を検出器に投影することができるからです。 すなわち、 スポットライトのようにややブロードに広げた一次イオンビームを試料表面に照射し、 デジカメのCCDのように二次元的に配置した検出器を用いると、 検出器は試料表面の二次元的な位置に応じた、イオン強度の分布を描くのです。 さらに、長時間そのままビームを照射しつづけると、 一次イオンビームが試料表面をスパッタリング(削剥)することによって うす皮を剥ぐように試料内部が次々と表面にあらわれるので、 時間の関数として深さ方向の組成変化(Depth Profile)がわかるのです。 Depth Profileは固体中の元素の拡散速度を研究するうえで強力な武器になります。
その他SIMSの長所を列挙すると、高感度(ppm-ppb)で分析できる、 水素をはじめほぼ全元素を分析できる、深さ方向(数10μm程度まで)ができる、 同位体分析ができる、などがあります。
逆にSIMSの短所としては、 定量分析の際に試料に応じた標準試料が必要になること、 微小ではあるが破壊分析であること、 面分析の分解能はEPMA(電子プローブ…)に比べると劣ること、 など色々あります。
要はケース・バイ・ケースでEPMAとSIMSを使い分けることによって、 微小領域での分析/観察守備範囲を広げることができます。 特に、水素(含水量)や同位体比を分析するときは、SIMSは頼もしい存在です。
SIMS装置は以下のような部分から成ります。
一次イオン源。一次イオンのイオン光学系。試料室。試料導入装置。光学顕微鏡。
二次イオンのイオン光学系。二次イオン質量分析計。二次イオンの検出計。
これらすべての内部を真空に保つための真空排気系。真空ポンプやバルブ、
スリット、磁場(電磁石)、高電圧回路などを制御するための、
コンピュータ(データ収集にも使用)。
では、ご一緒に分析してみましょう。
SIMSに用いる試料は、EPMAの試料とほぼ同じ前処理をします。
すなわち、試料を樹脂などで固定して、片面研磨片をつくります。
参考:EPMA用研磨片の製作
研磨片ができたら、 EPMA同様、導電性の膜でコーティングします。 その理由は、 地球科学で取りあつかう試料の大半は導電性の悪い物質だからです。 このような電気の不導体に高真空下で加速された荷電粒子を照射すると、 ビームの電荷が逃げずに、照射している点にたまりつづけ(チャージアップ)、 うまくないことが起きるからです。 EPMAの場合はふつう炭素でコーティングします。 そもそもEPMAは炭素などの軽い元素が分析できないので、これでよいのです。 一方SIMSでは炭素、水素も分析対象(宮城の場合)です。 ですから炭素は使わずに、金でコーティングするのが一般的です>
これは金コーティングをするための装置。 上にのっている円筒形の容器を開け、 試料を入れて蓋を閉め、 中を真空(少しアルゴンガスを流す)にします。
部屋を暗くして撮影しました。容器の中にある電極(一方が金板)で放電させます。
クローズアップ。
コーティングが終った、研磨片。
このように、表面が金の膜(100nm程度)で覆われます。
試料の表面は実際には鏡のようにみえます。
※写真では等間隔で何かが映ってしまいましたが、
これは作業台の照明によるものです。
EPMAの場合、 このような導電性コーティングのあとは装置に入れて観察を開始するのですが、 SIMSの場合はまず「地図」をつくります。 試料は直径たったの約2センチの円板ですが、 微小領域分析の対象としてはとても広大な平面で、 へたをすると迷子になります。 特にSIMSの場合、 金のコーティングのため試料の組織がよく見えないうえに顕微鏡が貧弱なので、 地図づくりは必須だと思います。
ここでいう「地図」とは、試料表面をモザイクのように撮影したもののことです。 上の写真は作成した地図を用いて分析している様子 (cameca ims-3f型; 筑波大圦本研究室; その後東工大に移転; 宮城撮影;1994年9月17日) です。
以下、文章作成中。あしからず。 平成13年2月18日(日)
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