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セオドライト(精密経緯儀)による有珠火山北麓の地殻変動観測結果

合同観測班地殻変動グループ(地質調査所,北海道大学理学部)

観測者:羽坂俊一,宝田晋治,高橋裕平,中川 充(地質調査所北海道支所)

有珠火山北西の北屏風山西尾根斜面付近では,噴火の数日前から多数の断層や地割れが見られた.また,北東山麓の壮瞥温泉周辺でも3月30日ごろから,多数の右横ずれ雁行割れ目群が観察され,北麓全体が北側へせり出すような変形が見られた.このため,より定量的に山体変動を計測する目的で,4月5日から洞爺湖東の洞爺水力発電所のある高台(N1)から,壮瞥温泉,洞爺湖温泉街周辺の建物の角など14ヶ所の目標物を決めて,セオドライト観測を行っている.
 

南西側からもセオドライトと自動連続光波測距による計測を行っている.

解析結果:
洞爺湖温泉街西の洞爺温泉中学校では4月5日から4月25日までの間に約1.6mの北側へせり出しが観測された.また,洞爺湖温泉街中央付近の建物でも,この期間に約1m北側にせり出したことが確認できた.しかし,これらの建物の鉛直方向の変位はほとんど観測できなかった.4月下旬以降は北麓の変位はほとんど観測されなくなった.山体の変動中心は,山体西麓の西山西火口群周辺に移動したと考えられる.

測定値のばらつきは,気温・気圧変化や読み取り誤差などによるものである.

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