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2000年4月4日〜7日噴火推移(速報)
総合観測班地質グループ(道立地質研究所,地質調査所,北海道大学大学院
理学研究科地球惑星科学専攻,北海道教育大)
観察者:垣原康之(北海道立地質研究所)
有珠山では現在,有珠山西方の国道230号線の洞爺湖温泉・虻田町の間の峠から,洞爺湖温泉から南西へ約1kmの金毘羅山西山腹にかけて噴火を繰り
返している.ここでは,有珠山の北約9kmに位置するサイロ展望台から観察した噴火の推移を速報として報告する.
なお,文中の火口名は暫定的な呼称であり,今後の詳細な検討により変更される可能性が有る.
なお,下記の報告は速報であり,今後ビデオ画像と照合の上,火口の位置の再検討を含めて,より詳細な報告を行う予定である.
注1
K0403火口(遠藤・野呂田・広瀬)とKok火口の関係は,手前と奥の関係になるため詳細は不明.ただし,「K0403の噴火口はみることができない(遠藤・野
呂田)」に対し,「Kokの噴火口は確認できた(垣原)」ことから,両者が異なった位置にあると考えられる.しかし,一つの大きな火口になっている可能性もあり,今後,ビデオで確認したい.
注2
Ktopは,金比羅頂上付近から白煙をあげていましたが,その火口はサイロ展望台からは確認できなかった.大まかにいって金比羅山の南側斜面にあると考えられるが,位置は非常に曖昧である.
4日
15:10 金比羅山の上に白煙が見える.白煙は火口付近で2本,上で1本になっているように見える.大有珠の高さまで白煙が到達している.
15:15 手前の2つの火口(K2とK3)が白煙を噴くのをやめ,上の火口(Kok)に移っている.若干,黒い煙が混ざっているように見える.全体的には白い煙がほとんど.双眼鏡で確認した結果,ほぼ白い白煙がほぼ垂直か,ややこちらに向かって上昇しているように見える.
15:17 今のところ,全部,白煙が上がっている.ほぼ垂直(に上昇),上空にでてやや北(北東の間違い)へ流れる.
15:18 山腹に一つ新たな火口(Ksの発生).
15:18 今までのとは別,今まで2つと別,さらに,2つのところから白い煙があがっている.
15:22 金比羅山山腹より煙が出始めた.非常に小さいながら薄い黒い煙が,自噴井戸のようにでている.基本的に白い煙.
15:23 2つできたうちの,下の方(Ks)が活発になってきた.(噴煙中の下の方で)黒い煙が噴水のように噴いているのが確認できる.
15:24 今まで一番大きな穴のあいている火口(K2)の煙が出始めた.
15:27 黒い煙がで始めた,手前の火口(K2)からどんどん,黒い煙が噴出.
15:28 黒い噴煙が出ているが,上の方では白い煙.巻き上げられた火山灰が舞っている.
5日
この日の噴煙は,「強い」と記載されているものでも有珠山の高さ程度.金比羅山西側の山腹(KsとK2)と金比羅山山頂より白煙をあげる.午前中はKsとK2の区別をしていない.撮影ビデオで確認の上,火口位置の特定を行わなければならない.
9:06 西山の方がやや強い白煙.
9:07 金比羅山からやや強い黒煙.
9:25 金比羅山・西山ともに白煙,いったん落ち着く.
9:29 西山に大きな白煙があがる.金比羅山弱い白煙があがる.
10:05 金比羅山の白煙が灰煙に変化.
10:06 西山の噴煙が停止.
10:29 洞爺湖温泉付近に火山灰のもやがかかる.灰の堆積が起こっている?
10:43 西山では弱まっているが,継続.金比羅山では灰煙が混じる.
11:07 金比羅山では黒煙の割合が多くなる? 湖面に灰が降っているのが認められる.
11:11 金比羅山で灰煙がまじった噴煙停止.
11:13 金比羅山の3カ所から白煙.手前1つが収束するものの,向こう側2つから力強い白煙.
11:18 金比羅山山頂(Ktop)より白煙.西山は停止.
11:41 金比羅山山腹に,沢沿いに白い流れ(温泉泥流).
11:42 西山で噴火.非常に高くまで,噴煙.
12:19 サイロ展望台に細粒砂サイズの灰が降灰.
12:22 比較的落ち着いた噴火.金比羅山斜面火口より.西山と金比羅頂上は白煙なし.サイロ展望台では降灰あり.
12:26 サイロ展望台の降灰は終了.
13:09 噴気停止.Ktop,Ksとも噴火なし.泥流の水蒸気だけが観察される.
13:26 Ksの白煙の活動が続く.噴煙柱の下が黒くなることがあるが,周囲の堆積物(火山灰)を巻き上げている.
13:30 今まで静かな蒸気の頭しか出ていなかった泥流沢右岸の火口(K2)から活発な白煙.
14:20 全火口の噴気が停止.
15:05 西山より白煙が上がる.かなり西側から(西山w).
15:07 Ksも少し強い白煙.すぐに西山の2箇所からも白煙.
15:16 Ksおよび西山の二箇所から白煙.その後,一番西の白煙は停止.以後,数分間ビデオ撮影.
6日
<この日は西風が強く噴煙は西側に流され,有珠山より高い噴煙はごくわずか>
<強い白煙:有珠山の高さ程度まで到達するもの.弱い白煙:それ以下のもの>
10:18 基本的にKとNから白煙をあげている.昨日のような断続的な噴火ではなく連続的な噴火.
10:36 昨日より上流の沢より泥流.
11:23 霧がかかって有珠山がよく見えなくなる.
12:05 KsとKokより白煙(ビデオ再開).比較的,激しい噴火で,上空で白煙.噴煙の根本で灰まじり.
12:58 金比羅山および西山ともに噴煙は停止中.
13:02 霧がかかり,うっすらと火口付近が見える程度.
13:25 Kokより白煙.一部,黒煙が認められる.
13:28 比較的落ち着いた状態(火口だけを蒸気が埋めている状態.以下,この状態を以下「FillPod」と記載).
13:46 Kok,Ks,K2の三カ所から噴煙.西山では噴火の気配なし.
13:53 Kokが黒煙を噴く.
13:57 Kokが強く(有珠の高さまで)黒鉛を噴く.Ksは白煙を噴いている.
14:20 黒煙停止.
14:28 13:57の黒煙による降灰による「もや」は,有珠山北側斜面を回り込むようにして昭和新山方面へ流れる.洞爺温泉にはこの「もや」がかかっていないように見える.
14:29 Kokの白煙が強まる.西山の方は何の活動もなし.
14:31 Kokで噴火.やや黒い.噴石は認められない.
14:32 Kokでの噴火は白煙に戻る.噴煙の高さは有珠山の2倍程度.
14:34 Kokで黒煙が混じり始める.
14:57 Kokが白煙に変わる.Ks火口よりも黒煙.
15:00 西山も白煙を開始.
15:01 Kokより黒煙が噴出.16:02に停止.
15:15 Kokの黒煙の勢いはかなり強い.強い東風により火口上空では有珠山より低く,そのまま東に流されている.
15:18 Kokよりも奥に火口?白煙らしきものが見える?
15:37 Kokより黒煙.KoとKsは停止.西山より強い白煙.
16:02 Kokは白煙になった後,停止.西山より白煙.
16:22 西山の白煙の停止.
16:22 金比羅山周辺火口の噴出の停止.FillPod状態.
16:23 金比羅山・西山ともに停止.Kokより奥(南側)に火口?.
16:32 Ksより黒煙まじり.西山は停止中.
16:48 全火口の噴煙停止.
7日
8:39 KsおよびKokより白煙.沢には熱泥流.
8:46 Ksより白煙.有珠より高い.
8:47 西山より白煙.有珠と同じ程度の高さ.
8:49 西山より白煙(有珠と同じ程度の高さ→有珠の2倍程度).
8:52 KsとKokの噴煙の根本で,うっすらと黒煙がまじる.有珠の2倍程度の高さ.
8:57 西山より噴火.昨日よりかなり西側の位置(昨日と今日の位置関係は4月5日のビデオの最後で両方が噴出しているので確認できる).
9:11 西山の白煙の高さが有珠の2倍程度.
9:31 西山の白煙が有珠程度の高さまで成長.
9:32 Ksより白煙(→最終的に有珠より高い程度まで成長).
9:34 西山wの噴煙停止.
9:42 西山wの白煙が有珠程度の高さまで成長.
9:43 西山wの停止.Ksより白煙.Ksの白煙は有珠程度の高さまで成長.
9:55 西山より噴火(白煙).全部,白煙.
10:20 Ksは弱まり,FillPod状態となる.西山から白煙(有珠の半分程度の高さ).
10:23 サイロ展望台に硫黄臭.
10:37 Ksは弱い白煙を継続.西山wの白煙の成長.
10:39 西山wの噴煙は有珠程度の高さまで成長.その後比較的活発.
10:43 西山wの噴煙は有珠の3倍?程度の高さまで成長.
10:45 Ksより弱い白煙.西山wの噴煙は洞爺湖上空で広がる.
10:50 西山wは急激弱まる.Ksの白煙が徐々に成長.
11:14 西山w停止.
11:25 熱泥流は今朝の観測開始からとぎれない.
12:28 Ksより黒煙混じりの白煙(有珠の高さ程度まで成長).西山wは停止.
12:38 泥流の沢,下流に新たな噴気孔(Kl)の形成? 白煙がみえる.(注:Klは,K2と泥流の沢との間)
12:49 KsとKokの噴気が弱まる(止まった訳ではない).新噴気孔(Kl)はやや強い.
13:01 金比羅山火口周辺にもやのように薄く火山灰.巻き上げ?
13:11 Ksより強い白煙.