![]() |
|
* 〒305-8567 茨城県つくば市東1丁目1-3
標準情報(TR)「地質凡例基準の標準情報」資料
国際規格 ISO710「詳細な地図,平面及び地質断面図に用いる図式記号」
本資料は,工業技術院標準部の「標準情報(TR)制度」の下で,地質図を表現するために用いられる記号,色,模様などの標準化,及び地層・岩体の名称などの表現の標準化を図るための資料を提供し,標準となるものを提案することを目的とした「地質凡例基準の標準情報化」を行うための作業の一貫として,ISO710「詳細な地図,平面及び地質断面図に用いる図式記号」(Graphical symbols for use on detailed maps, plans and geological cross-sections)を翻訳したもので,標準情報(TR)「地質凡例基準の標準情報」の資料となるものです.いずれ,TR化を目指して作業中のものについて,ISOの翻訳とともに公開し,内容を踏まえた上でTRとする予定です.
第1部 表示の一般的規則
1999年初夏
「地質凡例基準の標準情報化に関する研究」グループ(鹿野和彦・星住英夫・巌谷敏光・酒井 彰・山元孝広・柳沢幸夫・久保和也・牧本 博・奥村公男)
[参考] 「地質凡例基準の標準情報化」に関する研究
現在,地質調査所の「地質凡例基準の標準情報化に関する研究」グループは,地質図の凡例に用いる図式記号などを統一して誰でも理解できるものにするための研究を行っています.
1)古い時代の地層は濃く,若い時代のものほど薄く着色する.
地質調査所の50万分の1地質図幅でも,これに従い,次のようにして地層の時代を区別しています.
第四紀層___水色系統
ただし,今日では地質時代区分の細分化と多様な岩石の種類に応じて,数多くの色を使うようになって,似た色を区別するために,記号と模様も併用しています.
礫岩___茶色系統
このように地質調査所の地質図幅では,基本的にこの原則に準じて岩石を塗り分けてきました.また,境界面または線の姿勢や性格は,黒,赤,青などの単色の実践,破線,点線,矢印などを組み合わせて表現してきました.しかし,印刷技術やコンピュータ技術の向上にともない,昨今では,作成者の思うような表現が可能になりつつあります.また,学問の進歩によって,表現すべき岩石の種類や時代区分の数,地質構造の種類が急速に増えてきています.
*
* ISO710「詳細な地図,平面及び地質断面図に用いる図式記号」
*
* の翻訳[「地質凡例基準の標準情報」(標準情報(TR)化を予定)資料]
* をこのページで紹介します.
*
* これについて,その問題点,改善案などご意見を下記までお寄せください.
*
*
* 宛先:地質調査所地質部広域地質研究室 鹿野和彦(kazu@gsj.go.jp)
* 注意!
* ISO710文書は本来販売されているもので著作権はISOにあります.
* ここに掲げる翻訳は,皆さんの意見を集約するための参考資料です.
* 無断で印刷,複写,複製はしないで下さい.
* これらの行為は著作権法により禁じられております.
* ISO710文書は,PDF形式のファイルです.
* PDFファイルをご覧頂くためにはアドビ システムズ社のソフトAdobe(R) Acrobat(R) Reader(http://www.adobe.co.jp/international/jpacrodown.html)が必要です.
* 最新のAcrobat(R) Readerをインストールすれば,お使いのWWWブラウザでPDFファイルが読めるようになります.
ISO710「詳細な地図,平面及び地質断面図に用いる図式記号」は,「地質凡例基準の標準情報化」に関連した唯一の国際規格であり,「地質凡例基準の標準情報化」にあたっては,これをひとつの基礎として作業を進めたいと考えています.しかし,この規格については,国内では専門家にさえ知られていないという実態があります.そこで,ここに,その翻訳を公開し,これについての意見を広く求めることにしました.
ISO710は次の7つの部で構成されています.訳語が適切かどうか迷うことも少なくなく,誤訳もあるかもしれませんが,内容を把握するには差し支えない程度と考えています.
第2部 堆積岩の表示
第3部 火成岩の表示
第4部 変成岩の表示
第5部 鉱物の表示
第6部 接触(変成)岩,及び交代作用,熱水変質作用あるい
は風化作用を受けた岩石の表示
第7部 地質構造の表示
これらのうち,第1部と,第2部は日本も承認していますが,第3部以降は承認していません.承認した国の数はいずれも少なく,第5部を承認した国はありません.また,米国やカナダ,オーストラリアのようにその国の地質調査所が独自の基準を設けている国では,ISO710そのものを受け入れていません.実際に内容を点検すると,見慣れない表現や今日では使われていない,あるいはなじみのない岩石名その他の術語も多く,また,色と併用することを念頭に置いていない規格では色刷りが普通になった今日の地質図では必ずしも実用的ではないと思われる点も多々あります.
「標準情報(TR)制度」は,通常の規格とは異なる種類の標準化に関わる技術情報やJIS化するにはまだ成熟していない先端技術分野での規格関連情報を提供するための制度です.この制度に基づいて公開された情報は,関係者の意見を聴取し,JIS化に向けての対応が日本工業標準調査会において検討されます.この制度の下で行われる「地質凡例基準の標準情報化」に際して提供される標準情報も例外ではありません.従って,これに関連した資料などについての意見は標準化にあたって重要な役割を果たします.
上記の各部をクリックするとその内容が表示されます.是非,読んでご意見をお寄せ下さい.
翻訳については,訳語が適切かどうか迷うことも少なくなく,誤訳もあるかもしれませんが,内容を把握するには差し支えない程度と考えています.訳に疑問があれば,お問い合わせ下さい.
最後に,本資料の取り扱いについてお願いがあります.ISO710文書は本来販売されているもので著作権はISOにあります.一般に提供されるISO710文書はたとえ翻訳であっても,本来は有料です.ここに掲げる翻訳は,「標準情報(TR)」を提供するための作業の一貫として,意見を集約するために準備された参考資料であって,一般に提供することを目的にしたものではありません.この翻訳は,(財)日本規格協会の許可を得て行っており,公開する範囲も限定されています.従って,これを無断で印刷,複写,複製することはできません.この点について配慮して下さるようお願いいたします.
地質図は,地殻表面の岩石(表層を覆う土壌や草木以外の未固結の砕屑物も含む)を,その種類,または岩相(堆積相,変成相,変形相なども含む)と,時代とで区別し,それらの分布と構造,累重関係などを示した図です.この図に岩石の分布を表現する場合には,異なる岩石の境界を描き,それぞれの岩石を色と模様と記号の組み合わせで区別します.また,境界面または線の姿勢(面の走向傾斜や線構造の走向とプランジなど)や性格(初生的な境界か,地殻の変形で形成された断層面かなど)を記号または記号と色で表現します.誰が見ても容易に地質図が読めるようにするには,地質図に用いる記号や模様,色や地層・岩体名などの表現は,統一されていることが望まれます.
従来,原則として,色は岩石の時代を区別するために使い,模様は岩石の種類を区別するために使うというのが国際的に共通した理解でした.模様や記号については,国際規格ISO710のほかに各国で独自に定めた様々なものがあります.地質図の色については,1882年の万国地質学会議(IGC)で,次のように定められています.
2)時代が近接しているものについては,混同しない程度に似た色にする.
3)中生代及び第三紀の地層は光のスペクトルの原色(混ざらない色)にする.三畳紀層は藍色,ジュラ紀層は青色,白亜紀層は緑色,第三紀層は黄色とする.古生代の地層には混合色にする.
4)火成岩は濃い色とし,酸性岩には赤色,塩基性岩には紫または緑色を使う.
第三紀層___黄色系統
白亜紀層___緑色系統
ジュラ紀層___青色系統
三畳紀層___濃い赤みの橙色
古生層___茶色系統
地質調査所の100万分の1日本地質図第3版(1992)では,岩相と時代とによって136もの地層・岩体を区別していて,似た色を区別するために記号と模様を併用するだけでは足りないために,原則から外れた色使いもしています.また,5万分の1地質図幅のように,岩相を詳しく分けてその分布を示す場合には,このような色使いからはさらに外れることが多くなります.とはいっても無原則に色を使えば,共通の理解の妨げになります.
地層の時代ごとの色分けの原則は上記のようになりますが,各岩相については,我が国では,概ね次のような色使いが使われているように見受けられます.
砂岩___黄色系統
泥岩___青色または緑色系統
砂岩泥岩互層___黄緑色(砂岩と泥岩との中間色)
チャート___橙色系統
石灰岩___青色系統
珪長質火砕岩___桃色ないし赤色系統
珪長質火成岩___桃色ないし赤色系統または茶色系統
苦鉄質火砕岩・火成岩___紫色系統または緑色系統
地質調査所では,地質図に使う記号などについて,1979年12月に「地質図類の用語・記号」(その後一部改訂)を布告し,これに従って地質図類を作成してきました.しかし,このような事情から,いまや,現状に合わない点も多く,今後,地質図の数値化と利用の高度化に向けて,これを改訂する必要があります.現在,「地質凡例基準の標準情報化に関する研究」グループでは,改訂のための準備作業を行っており,最終案は,地質調査所内だけでなく,国内で一般的に受け入れられるものにしたいと考えています.